浴室内熱中症は気付きにくいので要注意
浴室内熱中症を防ぐために、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

湯温は41℃以下にする
浴室内熱中症を防ぐために注意したいのは湯温です。「湯温は41℃以下、入浴時間は10分以内」を目安にしてください。とはいえ、長時間入浴するのが好きな方もいるでしょう。その場合は、耳式温度計で体温をこまめに測定するようにしてください。ただし、体温の上昇には個人差があります。入浴中の過度の体温上昇を防ぐためにも、日頃から正常な体温を把握しておくことが大切です。
一般的に、湯温42℃で全身浴する場合、10分で体温が1℃上昇するといわれています。入浴中や入浴後に、めまいや立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛や痙攣、頭痛、嘔吐、倦怠感や虚脱感などの症状が現れた場合は、熱中症になっている可能性があるので注意が必要です。
また、新鮮な空気を循環するために、窓を少し開けて外気を取り入れたり、換気扇がある場合は入浴中に回したりするといいでしょう。
入浴前後にしっかり水分を補給する
浴室内熱中症や脱水症状を防ぐには、入浴前に水分を補給することが大切です。1回の入浴で約800mlの水分を失うので、入浴前にコップ1~2杯(150~300ml)の水分を摂りましょう。入浴後も必ず水分を補給してください。入浴後に大量の汗をかくと、水分と一緒にミネラルも失われてしまうため、糖分やカフェインを含まない飲みものがおすすめです。
もし、頭がボーッとしたり、眠くなったりしたら、軽い熱中症になっているかもしれません。これらの兆候に気付いたらすぐにバスルームから出て水分を摂り、体を休めましょう。
おすすめの飲みもの
浴室内熱中症を防ぐために水分補給が重要だとお伝えしましたが、入浴前後の水分補給には「適切なもの」と「避けたほうがいいもの」があることをご存じですか。
適切なのは、基本的な水分補給源といわれている水(ミネラルウォーター)です。入浴の際は常温または温かい飲み物が推奨されているので、よく冷えている水ではなく、沸騰させてぬるま湯程度に冷やした白湯や常温の水を飲むといいでしょう。
ジャスミンやカモミールなどリラックス効果がある温かいハーブティーもおすすめです。体の緊張をほぐすと同時に、睡眠の質の向上にもつながります。
避けたほうがいいもの
温泉に行くと冷蔵庫に入った瓶牛乳をよく見かけますが、入浴時の水分補給としては適切ではありません。冷たい牛乳を飲むと入浴で温まった体温が下がり、体に負担がかかるからです。
また、糖分を多く含むジュースも血糖値を上昇させ、血液をドロドロにしてしまう可能性がありますし、ビールなどのアルコールは強い利尿作用があるため、摂取すると水分を補給するどころか、むしろ水分の喪失を促してしまいます。これらの飲みものはなるべく避けるようにしましょう。