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入浴事故の対策法「転倒事故は足元に気を配ることがポイント」

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入浴の効果と事前準備

重症化することも多い転倒事故の対策は?

入浴中の転倒事故を防ぐために、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

重症化することも多い転倒事故の対策は?

「滑り止めマット」や「すのこ」の活用

バスルームやバスタブ内は滑りやすいため、滑り止めマットを設置しましょう。滑り止めマットには、天然ゴムで作られた自重で沈むタイプと吸盤タイプがあります。自重タイプはバスタブの中に入れると勝手に沈むので設置は簡単ですが、使い続けるとゴムが硬化して滑りやすくなります。ある程度劣化したら交換するようにしましょう。吸盤タイプはマットをそのまま置いて吸盤を押し込むだけで使えます。マットが勝手にずれることはありません。
もし、脱衣所とバスルームに段差があるなら、すのこを設置するといいでしょう。高さを調節できる機能があるすのこなら段差を解消できます。ただし、木製のすのこは完全に乾燥するのは難しく、水分を含んでいると滑ることがあるので注意が必要です。

介助する時のポイント

転倒しないように、脱衣所の椅子に座らせて、手すりにつかまりながら脱衣させます。髪や体を洗う時はシャワーチェアなどに座ってもらいますが、皮膚にふれる部分が冷たくなっていることがあるので、シャワーで温めておくといいでしょう。また、タオルを敷いておくと滑りにくくなります。
髪や体を洗ってすすいだ後は手すりにつかまってもらいながらバスタブに入ってもらいます。出る時は手すりを使って立ち上がり、足の裏をよく拭いてから脱衣所に移動します。手すりがあると転倒したり、バスタブで溺れたりするリスクを軽減できるため、必ずつかまるように促してください。
お湯から出る時に血圧が変化してふらつくことがあるので、椅子に座ってもらいながら服を着せてください。服を着たらしっかり水分を摂って、少し休んでもらいましょう。
足を滑らせるなどして転倒した場合、頭を打つ可能性があります。意識がない場合はすぐに救急車を呼んでください。体を無理に動かしてはいけません。

トレーニングを取り入れる

人は年を重ねると筋肉やバランス能力が低下し、ふらつきやすくなります。足も高く上がらないため段差につまずいたり、転倒したりすることが増えます。また、抗重力筋と呼ばれる姿勢を支える筋肉が衰えて筋力が低下するともいわれているため、上半身と下半身の筋肉をバランスよく鍛えることが大切です。
「座った状態で片足ずつまっすぐ伸ばして5秒間静止する」→「太ももを持ち上げて5秒間静止する」→「両足を揃えたままつま先とかかとを交互に上げる」→「上半身を前後に5秒ずつ動かす」→「交互に腕を振りながら大きく足踏みをする」の順に体を動かしていくと、全身をバランスよく鍛えられます。座ったままできるので、安全面にも心配はありません。

高齢者の入浴事故を防ぐために

入浴時間を快適に過ごしてもらうために

入浴時間を快適に過ごしてもらうために

介助の順番と注意点

入浴介助は利用者の健康を維持する、重要な業務です。流れをあらかじめ把握しておけば、スムーズに介助できます。特に注意しておきたいポイントも一緒にまとめているので、この機会に見直してみましょう。