介助する側は気力・体力が必須
入浴介助は気力や体力が求められるので、「大変だ」と感じる人も多いようです。

体力が消耗する
利用者の体を支えながらシャワーチェアに移動させたり、利用者の体重がかかった状態で体勢を維持したりする作業があるせいか、入浴介助は体力の消耗が激しい業務だ、といわれています。着替えや洗体など、力が必要な場面も多く、足腰にも大きな負担がかかります。さらに、高温多湿なバスルームの中での作業が中心となるため、熱中症になるリスクもあります。1日に複数人の入浴介助を行うケースもあり、作業時間が長時間になることもあることから、体力が必要なきつい業務だといわれているのでしょう。
安全面に配慮が必要
介助の際は利用者が滑ったり転んだり、バスタブに沈んだりしないように細心の注意を払う必要があります。利用者の身の安全は介護士の判断に委ねられている、といっても過言ではありません。わずかな不注意やミスが転倒などの事故につながる可能性があるため、大きなプレッシャーを感じている人もいます。
また、利用者1人ひとりの身体機能や病状、動作の癖などに合わせながら対応しなければならず、常に神経を張り詰めている状況で作業をしています。気遣いも求められるため、精神的にも大きな負担がかかります。
「大変だ」と感じたら
負担を減らせるように工夫しましょう。もし疲れがたまっていたり、体に痛みを感じているならマッサージグッズや疲労回復グッズを痛む部位に合わせて使ってみてください。慢性的な腰痛に悩まされているなら、腰への負担を和らげるコルセットやサポーターを使用しましょう。
ボディメカニクスを応用するのも効果的です。ボディメカニクスとは、関節や筋肉の動きや力の配分を利用し、介護士の身体的負担を軽減する介護技術のことです。ボディメカニクスの理論を入浴介助に取り入れることで、無理な体の使い方がなくなり、効率的な介助が可能になります。
上司や先輩に相談してみよう
状況によっては、入浴介助以外の業務に変更してもらえたり、入浴介助の体制を改善してもらえたりするかもしれません。また、誰かに悩みを打ち明けるだけでも気持ちが楽になります。経験豊富な先輩に相談し、アドバイスをもらいましょう。
それでも負担が減らないなら転職を考えよう
自分なりに工夫しても心身への負担を大きく感じるようなら、入浴介助がない施設に転職するのも1つの方法です。施設の種類や特徴、設備の有無などを確認し、適切な職場を見つけましょう。
まとめ
入浴介助は体力的にも精神的にも負担がかかる、重労働です。しかし、工夫することで負担を大幅に減らすことができます。入浴介助は大切なコミュニケーションの場でもあるため、利用者が気持ちよく入浴できるように、自分なりに方法を工夫してみましょう。