入浴時間を快適に過ごしてもらうために

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入浴前に、利用者の体調をきちんと確認しておきましょう。本人が自覚していない場合もあるので、よく観察してください。いきなりバスタブに入ったり、心臓付近にお湯をかけてはいけません。声をかけながら、手先や足先にお湯をかけて徐々に体を慣らしていきます。利用者によっては、先に洗ってほしい部分や、ふれられたくない部分もあるかもしれません。そのような気持ちを汲み取りながら介助を行うようにしてください。介護士のやり方を押しつけてはいけません。思いやりを持って接しましょう。
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高齢者にとって入浴は、「皮膚の洗浄や細菌の繁殖を抑え、感染症や褥瘡の予防につながる」「筋肉がほぐれ、痛みが和らぐ」「血行を促進し、免疫力がアップする」「リラックス効果があり、質の高い睡眠につながる」などの効果が得られます。入浴介助を行う際は、安全に入浴できるように環境を整えましょう。利用者が転倒しないように床の状態を確認するのはもちろんですが、介護士が転倒する可能性もあるので、裸足ではなくゴム製のサンダルやブーツなど滑りにくい靴を履いて介助するようにしましょう。
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入浴介助は体力的にも精神的にも大きな負担がかかるため、重労働だといわれています。そのため、介護士はこの負担を軽減する工夫をしながら作業を進めていく必要があります。疲れがたまっているのならマッサージグッズや疲労回復グッズを使ってみてください。腰痛に悩んでいるなら腰への負担を和らげるコルセットやサポーターをつけて作業することをおすすめします。ボディメカニクスを応用するのもいいでしょう。それでも負担が減らないようであれば、入浴介助のない施設に転職するしかありません。